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スウィート・ウォーターC.C.のスタート前に・・・福井氏と

キム氏によれば、アメリカではカントリークラブというのは、ゴルフ、テニス、アスレティッククラブなどのスポーツ設備、宿泊設備も整ったものをいい、ゴルフクラブは文字通りゴルフ場をさすという。ここスウィートウォーターのクラブハウスにエレベーターがあり、食堂に子供達がいる理由がはっきりした。土曜日だというのにゴルフをしている人は少なく、午後から若干、人が増えたかなと感じる程度であった。優雅でゆったりとゴルフを満喫してスウィートウォーターを後にした。
  キム氏にホテルまで送っていただき、また近いうちに会いましょうと約束して別れた。
(注) 1997年よりゴルフは自然保護のため固辞している。

自己満足的な結論

  住金の方々と会う時刻まで時間があったので、一瀬氏と私は、週末のダウンタウンへ散歩に出かけてみた。静かなビジネス街で、事務用品などを売っている店は閉まっていた。日曜日の東京の大手町を歩いているようで、行き交う車もなく、すれちがう人もいなかった。テキサス州最大の百万都市ヒューストンの心臓部も、休息をとっているようであった。石油の町を誇るべく、至るところにGulf、Shell、Texaco、Tennecoなどの看板が掲げられている。Exxon石油の背の高いビルディングもひっそりとしていた。
  昨夜、KTMのササキ氏の「夜のダウンタウンは、黒人のごろつきがウロウロしているので気をつけた方がいい」というアドバイスもあり、2人の足は自然にホテルに向いていた。

ホテル内の売店でチュウインガムと絵葉書を数枚買って、ロビーの喫茶室THE PARKで休憩することにした。
  コーヒーはまだ用意されていなくて、一瀬氏はトマトジュース、私はオレンジジュースを注文した。座った横には18インチぐらいのテレビが置いてあり、バスケットボールの試合がはじまろうとしていた。ヒューストンにあるアストロドームからの中継だろうと思われたが、どのチームがどうで、どうであるかは、よそ者の私達に分かるすべもなかった。ただ、連日、テレビのスポーツニュースで、バスケットの試合の結果を報じているので、今がシーズンかなとも思ってみた。10月に野球が終わり、11月はバスケット、そして年末から1月にかけてはフットボールというのが、アメリカスポーツ界の流れかなと想像してみた。
  このアメリカ視察を無事終えてみて、果たして収穫があるかどうかは判らない。何年後に実るかは今のところ予想もつかない。ただ、今、一瀬氏と私に言えることは、数年に1度か2度は海外に出てみて、日本の企業の進出状況、先進国、発展途上国の成熟の度合いを肌で感じることはいいことだ、という自己満足的な結論に達していた。
  一瀬氏の会社は、戦後、自社ブランドを持つ問屋として出発され、現在は日立金属、北沢バルブ、ベンなどの代理店としての卸売業をメインに、自社ブランドも健在で、在阪の同業者の中でも屈指の会社だ。今回のツアーメンバーの中でも、わが社は他の3氏の会社の足元にはおよばないが、一瀬氏の会社とわが社とは取扱商品の上で、比較的よく似た性格を持っているようだ。THE PARKの喫茶室も込み合ってきたし、待ち合わせの時刻も迫ってきたので、チェックアウトすることにした。