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レストラン「富士」で・・・左から私、キム氏、橋本氏、福井氏、一瀬氏、ササキ氏

20ドルのデポジット

  副社長のササキ氏の運転する助手席に乗り、ホテルまで送ってもらうとき、睡魔と戦いながらテキサスのこと、アメリカのことを話していた。実際、きょうはとてもハードであった。朝5時に誰が仕掛けたか分からない目覚し時計で起こされ、アトランタをたちヒューストン入り。今、ヒューストン時間10時前である。ということは、時差が1時間だから朝4時に起きたことになる。
  しかし、ホテルにチェックインしてからは、全員元気が出てきたのか、私の部屋に集まり氷とセブンアップのルームサービスを頼み、成田で買ったナポレオンを片手に一日の反省会がはじまった。
  興味深かったのはヒューストンのこのホテルでのチェックインのことであった。VISAのクレジットカードで支払うと言えば信用があり、キャッシュで支払うならば20ドルの保証金を先に払わねばならないという事実は、日本人の私達には全く理解できないことであった。

20ドルのデポジットを支払わされた橋本氏の剣幕はすごいものであった。
  明日の土曜日は、橋本氏は住金時代の上司に会われることになっており、一瀬氏、福井氏と私は、KTMのキム氏とともにゴルフを楽しむことになっている。そのあと夕刻から、福井氏は別行動、橋本氏と一瀬氏と私は、在米の住金、住商の方々と食事をともにする予定である。お互いのタイム・スケジュールを調整し、おのおのの部屋へ戻っていかれた。
  ハイアット・リーゼンシーというホテルは、変形した四角柱の30階ほどの建物で、吹き抜きになっていた。天井はガラス張りで1階のロビーが見え、各階の手すりがぐるっと一周する形になっていた。ロビー中央は、THE PARKと呼ばれる喫茶室になっていて、カクテルやコーヒーのサービスをしていた。エレベーターは全部で8機。シースルーで、ロビー側、つまり中庭に向かって5機、ホテルの外に向かって3機が用意されていた。私達の部屋は22階で、4部屋並びではなく5つ、6つ番号が飛んでいた。
  私の部屋はちょうどエレベーターの正面に位置していて、部屋の前の廊下からは、上下するゴンドラをよく見ることができた。部屋の中は、すぐ右にバスルーム、そして明るい蛍光灯のついたクロゼットがあり、窓際には備えつけのソファーとテーブル、イスが2脚、RCAのテレビが置いてあった。ベッドはアトランタと同じで、シングル2つ分の広さに枕が3つ。