▲コラムへ戻る
 
二番手の教え パートU

  「二番手の教え」を踏襲していくと、次なる思いにぶつかった。
 「一番になりたい」「一番になるんだ」という意気込みや目的は、スポーツのチーム などをまとめるときには、非常に楽なやり方である。
 会社であっても、売上トップ、業界一位など目指す会社は少なくはない。
 しかしながら、問題はトップになってからの経営である。
 巨人軍は9連覇という偉業を成し遂げた。はじめの3連覇、4連覇のときは、選手も 監督も必死であろうけれども、7、8年も連続して優勝をしていると、優勝チームたる 風格も備わってくるし、トップたる動きも自ずから判ってくる。
 また、チーム全体が球界のリーダー的存在であり、スター選手の身のこなしなどもにも落着きが備わってくる。
 アンチ巨人は、巨人打倒に燃え、プロを目指すなら巨人の選手となる。江川、元木は その最たる現象である。

 球界だけでなく、一般社会においても、ほとんどの人は、一番にはなったことがない のが、現状である。たとえ一番になったとしても、次は番外に落ちるのが、ごく普通で ある。一番を何回も続けて、一番たるものは、こうであるということを気付くまでは、 ほとんどの人間は到達しない。(1998.11)