「二番手の教え」を踏襲していくと、次なる思いにぶつかった。
「一番になりたい」「一番になるんだ」という意気込みや目的は、スポーツのチーム
などをまとめるときには、非常に楽なやり方である。
会社であっても、売上トップ、業界一位など目指す会社は少なくはない。
しかしながら、問題はトップになってからの経営である。
巨人軍は9連覇という偉業を成し遂げた。はじめの3連覇、4連覇のときは、選手も
監督も必死であろうけれども、7、8年も連続して優勝をしていると、優勝チームたる
風格も備わってくるし、トップたる動きも自ずから判ってくる。
また、チーム全体が球界のリーダー的存在であり、スター選手の身のこなしなどもにも落着きが備わってくる。
アンチ巨人は、巨人打倒に燃え、プロを目指すなら巨人の選手となる。江川、元木は
その最たる現象である。
球界だけでなく、一般社会においても、ほとんどの人は、一番にはなったことがない
のが、現状である。たとえ一番になったとしても、次は番外に落ちるのが、ごく普通で
ある。一番を何回も続けて、一番たるものは、こうであるということを気付くまでは、
ほとんどの人間は到達しない。(1998.11)
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